2020/08/18 09:42

#焼き菓子屋そぼくな。店主の足跡ブログ、

前回の話はこちらから↓

最初から読みたい方はこちらにまとめてあります。↓

需要と供給の逆転が生じた時。

伸び悩んだ開業~10カ月間、

その後。

9月末になり急に予約が止まらない商品が登場しました。

IMG-2389 - コピー

それが、この秋の実5兄弟でした。

手のひらサイズの小さなタルトが¥864の値段。

一般よりも高いタルトの価格にも関わらず出しても出しても売れていく(有難い!)

けれど、タルトに乗せるパーツの栗の渋皮煮から作っていたので、

この1個のタルト。

最初から作って完成までに早くとも2日はかかっていました。

けれどこのタルトだけではなく、他の菓子達のご予約もあるわけで。

ご注文したい!と言ってくれる方と

私が作り出しお届け出来る量とのズレが生じていき、

“”ご希望があるのにお届け出来ない“”

そんな有難く贅沢過ぎる悔しさに急に悩まされることとなりました。

店の状況が変わっても、

今、目の前のお客さん

お一人お一人にちゃんと向き合ってお届けすることは絶対に大切にしたい事で。

ここで傲慢になり、機械的な作業に仕事をしてしまうと、焼き菓子屋そぼくな。の“店の味わい”がなくなってしまうわけです。

私はどれだけ作業に忙しくても、目の前にいる

お一人お一人にちゃんと向き合って焼き菓子を届けたかった。

ただ、ご注文が入って、菓子を焼き、発送するだけでは、

そのご注文をくれた

その“人”に

本当に

“菓子をちゃんと届けた” と 言わないような気がするから。

それは

伸び悩んだ10カ月の間に体験し感じたことで

ネット販売であっても、

その向こう側にはお客さんという名の“人(=相手)”がいて。

大切な友人のように向き合って接する努力は怠りたくはなかった。

それがお客さんとの信頼関係にも繋がるから。

もちろん、

そのお届けする菓子の美味しい設計図、お届け方は前提である。の話です。

(美味しい設計図を見たい方は、考えるレシピ集を見てみてください→

そぼくな。なりに誠実に向き合おいと思ったら

需要があってもいったん、菓子のカートを閉め。

ちゃんとお届け出来る体制が整ったらの、販売を繰り返しました。

それでも、栗の渋皮煮は、栗の鬼皮をむくところから始まるので

他の菓子に手を付けることも難しくなり、その間に栗の季節も終わり(笑)

数週間の幻の商品となりました^^;


それでも、その間に、新たなリピーターさんが増えてくれ、

#秋の実5兄弟(栗のタルト)が無くなった後も、その時から店の売り上げが徐々に徐々に上がっていきました。(有難い!)

もちろん、それ以前からのお客さまも秋の実5兄弟を気に入ってくれ。

売り上げと同時にネット販売のレビューもたくさん書いていただいたり、

(ページの下の方にレビューが載ってます↓)


「忙しいでしょうからメールの返事はいらないよ!」と逆にお客さんから店に寄り添ってくれたりと、、

理想とする

お客さんと店という間柄ではなく

心ある【人】と【人】との間柄になれているかと感じることが出来て。

本当に有難く。。

10カ月間、店の事や家の事で

ずっと悔し涙ばかり流していたのが

その時から

有難い涙を流しながら

お客さんから頂いたメールやレビューを嬉しさと共に噛みしめていました。





どんなに暇でも

逆にどんなに忙しくても

変わらずに大切にしたい事は一つで。

それは

目の前の

お客さん、菓子、素材達、そして自分自身(自律した上で)に誠実であること。

これだけは

絶対守っていたら、

必ず見てくれている人がいる。

必ず、道は小さくとも開けていく。


言葉にすると当たり前のことだけれど、

これも、焼き菓子屋そぼくな。を体験したうえで気づいた大切な有難い経験でした。


どうにかこうにか

創業一周年

ってほどでもないけれど(笑)

2019,11,15に、無事に迎えました。

とりあえず一年。

秋の実5兄弟を売り出してからも階段をポンポンと上る様に調子が良く

店も回っていました。

もちろん、売り上げはもっと出さないといけないし

焼き菓子屋そぼくな。として

成し遂げたい課題はたくさんあります。

けれども、

小さな厨房だけの店でも一年できた。

大きな花なんかも貰わないけれど、

それでも店を初めて一年後、

誰かに必要とされ、

いつもと変わらず菓子を焼き届けられる仕事をしている事。

その事実だけがとてつもなく嬉しく。

その嬉しさを噛みしめながら菓子を焼き届けることが出来ました。



少し芽が出たようで素直に嬉しかった一年目でした。


画像2

読んでくれてありがとう!

次回はいよいよ?!

休業まで、それから現在、これからのことを。

焼き菓子屋そぼくな。

ゆ季