2020/07/24 12:23

2018年11月15日。【焼き菓子屋そぼくな。】開店。

この日に特別な意味は無く、とりあえず早く店をやりたい!

待っている(であろう)お客さんに早く菓子を焼き届けたい!

そんな想いが強く。

カレンダーを見て縁起が良い、

一番近かった日にちが、この日でした。

その日はおめでたい。と言うよりも

旅に出た。

そんな心持、でした。




開業と言っても。

家の敷地内の庭にあるプレハブ内に作った厨房だけの店。

なので店頭販売もなく、ネット販売を主とした菓子屋でした。

その当時は今までの経験の中で【直接顔を合わせての接客】と言うものが好きになっていたので、

店頭販売というものにも憧れがありました。

けれど資金等、今持っている自分の財力や力ではそこまで規模を大きくすることもできず。

「今、持っているもので、頭を使って勝負しよう。」

そう考え始めたネット販売でした。

今はBASE内で焼き菓子屋そぼくな。立ち上げてネット販売をやっていますが

その当時は個人としてやっていたInstagramがあり、

そこでの投稿だけで集客を始めました。

(今はその個人のInstagramはその後DMで誹謗中傷をもらったりと、そのメッセージに疲れてしまい辞めてしまいました。その後、店のInstagramを新たに作り直し今は店のInstagramだけになります。)

その当時で1500人ほどいたフォロワーさんに呼びかけDMもしくはメールのみでやり取りして菓子の販売をしていました。

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(最初の厨房の様子↑)

【予約制の販売は開店当初から。そしてその理由】

店を始めた当初から『予約制』で買い手も確定していない中『作り置き』という形はとりませんでした。

それには2点譲れない程理由があって。


●予約制にした一つ目の理由は、

顔は見えずとも、メールやDMのやり取りの中で

相手方と会話してから作り出すと、より良い表情で菓子が焼きあがるから

そしてその表情はその受け手に寄り添った菓子をお届けできるな

と、これは雇われをやっていた頃から接客する中で感じていた事なので、

【作り出すためにまず、受け取ってくれる相手を知る。】という予約制で販売は決めていました。

BASEへ販売方法を移行してからも、

そのプラットホームだけに頼る事は無く。

私個人としてお客さんに確認メールを送っているのはその為です。

そこでお客さんから返事が来ても来なくても、

相手を知る大切な要素にはなるので

店を再開してからも

この一見めんどくさそうに思える所作は、辞めません。

はい、今後もメンドクサイ菓子屋は突き通す覚悟です(笑)


予約制にした二つ目の理由は、

やはりロスを出したくなかったから。

なぜロスを出したくないのか?

それはただ単純に金銭的な問題ではない事を知って頂きたい。

店を開業する今まで。


飲食店で働いてきてご来店されるかもわからないお客さんの為、

睡眠時間を削り、たくさん焼きまくり。

けれど余ったらゴミ箱に、作り出した菓子やパン、飲食物を容赦なく捨てていく。。


どれだけ心を込めて作ったところで。


その気持ちも、

そこに費やす身体も、時間も。

そしてその食べ物を作り出すために【殺した素材達】も。

売れなければ犠牲になってしまう。

ご飯としてでなくとも、菓子やパンでも、それは【食べもの】で。

その【食べもの】と言うものは。

無農薬とか農薬とか添加物とか、、

まずその前に

一つも例外なく【素材を殺して作られた者たち】です。

微生物でさえ生きているわけです。

【命を頂くその前提での調理であり、食べ物屋。】という前提は

菓子屋であっても忘れてはならない。

その当時も、今現在も考えています。(もちろん食べ手であっても)

けれど、現代はその前提をどこかに置いてきちゃっていて。

【食べもの】や【食べる事】が

【ファッション】や【ただのお金儲け】としてでしか成り立っていない店も消費者も多い。

もちろん、

【ファッション】も【お金を稼ぐこと】も大切で。

でも。

それは【生きてあった素材達を殺し、命を頂く前提】である事を置いて成り立つもので在って欲しい。


その考えで

私は菓子を作り出し

表現し、

食べ手に届け、【おいしい感動】をお届けする。

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「そんな【素材を殺す】なんて大げさな!」って

思うかもしれないけれど。。


例えば小麦だって収穫したその瞬間に命は途絶える。

いくら酵母は生きている、と言われる酵母のパンだって焼けばその瞬間に死んでいる。

そして、

その死骸を私たちは私たちの身体に栄養がある、と言って食べ、


生きている。


酵母に限らず、

『人』ではなくとも

小麦やら、野菜やら肉やら、菌やら、、

なにかしらの命を取って、

殺して。

私達は今日を生きている。


だから、予約制なんて

店として偉そうだ、

とりあえず焼いて待つ努力が必要!

と言われ、思われても(実際に開店当初は言われたり)


私は

【必要な人に、食べたいと思ってくれる人だけに応え、その上で焼き届ける】

というスタイルを取りたかった。(そしてこれからもそうする。)


これは買い手への上から目線でもなくって、

【素材達に敬意を払って】

【食べ手に敬意を払って】の前提があってで。


その上で、

どんな形でも菓子を焼き、

菓子屋を営めている感謝を込めて

焼き菓子屋そぼくな。なりの誠心誠意を示した、菓子のお届け方を取ろうとした結果でした。

そしてこれからもこの予約販売でのスタイルが変わることは

よっぽどのことが無い限り変わらないと思います。

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さて。

話は戻りまして、、

2018.11.15初めて呼びかけた

予約販売のその最初の反応は。。

当時1500人いてくれたフォロワーさんに呼びかけるも

ご注文が入ったのは最初は15名ほどでした。

言い方が悪いですが見込み客の100分の1の反応です

これでも5年ほど想いを伝えるのに頑張って書いていたブログやInstagramに対しては少ない。と思ってしまったこの反応に

「これからどうしよう。。」と絶望したことは事実です。

またその直後に作った個人とは別の店として【焼き菓子屋そぼくな。】としてのInstagramのアカウントを立ち上げ宣伝するも、店のアカウントをフォローしてくれたのは50名ほどで。(笑)

ただ消費者寄りの個人で発信していたアカウントと

資本主義が見え隠れした店でのアカウントで発信することの

違いへの難しさ。

をも、覚えました。(そんなことを難しく思わずすぐに進んじゃう人や店もいるから私の場合は、です。)


それでも。

その15名は

厨房しかなく、

『店として実績もない予約制だけの菓子屋』を

信頼をしてくれて買っていただけたこと。


本当に初めましての方や、大阪のママ友、保育所でお世話になった先生、

雇われ時代からのお客さん、マルシェを出店してたときからのお客さん、雇われ時代の元同僚、

大学時代の同級生、高校からの友達、Instagramからご縁を繋いでくれている方。。

それは本当に感謝しかありませんでした。


それは今なお感謝していますし、

また、お一人お一人に、予約して頂いた時に頂いた、

心温まるメールは今でも体の奥からジーンとこみ上げてくる、

痛さを伴う暖かな有難さ。。が感覚としてずっと残っています。

だから、絶望もしたけれど『絶対そぼくな。成長してやる!!』と誓った日でもありました。



菓子屋なのにパソコンとにらめっこしていた、

そんなネット販売だけの

変わった菓子屋開店初日でした。




読んでくれてありがとう!

焼き菓子屋そぼくな。

ゆ季


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