2020/05/21 16:39

25歳春。

あっと言う間にパン屋の一年が過ぎ去って行った。

気が付けば

シフォンケーキの次に商品開発した

シュークリームも。

たくさん焼きお届け出来る日々で幸せ、たくさんだった。

目の前のお客さんにお届けできる幸せはどんな労働環境であっても

その当時の私は幸せだと思えていた。

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店がオープンしてからの1年後は、

変わらず市場販売の調子も良く。

最初行っていた魚屋売り場だけでなく、果物売り場、野菜売り場、と

全エリア制覇していた(笑)

おかげで市場を歩けば誰かに呼び止められ、

卸せない野菜や果物もたくさん頂き、、

学費の返済に追われていた私は本当に有難い日々だった。

パンのレストランの卸も順調に増えていっており(バゲットが売りのお店だった)

スッタフが新たに増えて行った。

それでも、まぁ、ここまで読んでくれた人はお分かりかもしれないが

ダイブ仕事の中で追い込んでくれるので

スッタフは辞めては増えの繰り返しで^^;


そんな中だからこそ、

その【人】がよく見えた。

●自分の事しか考えず、どこまでも“自分がお客様(お嬢様?)”のような目線で仕事する人。

●機械のように焼いていきその目の前には相手がいない。温度のない仕事をする人。

上がどうであれ、過酷であれ。

その環境のせいにして、そんな働き方をしてしまったら

自分が辛いだろうに。。自分が周への信頼を失ってしまうのに、、、。


仕事は人の心を映す場所だなぁ。としみじみと思った。


だからこそ、仕事は面白い。と思ったし、

「そこで自分はどうしていく?」と考動を考えるきっかけもたくさん頂いた日々だった。



そんな一年が過ぎ。

26歳冬に2人目を妊娠した。

妊娠がわかってすぐに

店での朝。

オーナーシェフにお話しした。

話の最後に「育休取れますか?」と聞いた。

そしてまたまた、忘れもしない、衝撃の答えが返ってきた。(笑)

。。。。。。。

。。。。。。。

「ゆきちゃん、バイトやろ?」

。。。。。。。

。。。。。。。

。。。。。。。それだけ???(絶句)

かける言葉、それだけ??????


言葉を失い(笑)そのまま市場へ

いつもと変わらず販売しに行った。

「ゆきちゃん、元気ないな?どーした?」と私の異変に気付いた

野菜売り場のおっちゃん。

もう1年もほぼ毎日顔を合わせているからすぐに見抜かれる。

私もだいぶ、おっちゃん達の事を信頼していた。

そのまま、

妊娠したこと、とシェフとのやり取りを全て話した。


おっちゃん「ゆきちゃん、、そんな働いてるのにまず社員じゃなかったん?夕方までおるやん。売り上げまでちゃんと出してるのに。。しかも給料めっちゃぼったくられてるやん。。(そこは私がちゃんと計算してなかったから今は自分が悪いと思っている。時間のわりにめっちゃ給料が低かったことにだいぶ後で気づいた。)その時点でおかしいんやけどさ、バイトや社員とか雇用形態に関わらずそんだけ働いてたら絶対、雇用保険入ってなおかしいで。法律違反やし。で、バイトでもこれだけ働いてたらゆきちゃんの場合、絶対に育休取れるから!」と。


おっちゃんが女神に見えた瞬間だった。(笑)


自分が社会で無知すぎる事を知った日。

それから、

おっちゃんに一度ハローワークに行って店の事を相談してみる事。

雇用形態がどうなっていて、私の働いている時間では育休は取れるかどうか?もそのハローワークで調べてもらう事。を教えてもらった。

もう26歳なのに。

何にも知らない私に育休をもらうには(自分を守るためには)どういう道筋を踏んでいくか?を徹底的に教えてくれた。

それから

休みの日にハローワークに行き、店の雇用保険の形態がどうなっているかを調べてもらった。

店自体は雇用保険に入っているが

スタッフの誰もがその店の雇用保険に入っていない事になっていた。

そこで、ハローワークに私は今の店の状況を話た。

そしたらハローワークの優しいお姉さんが

●まずは直接ハローワークに行って雇用保険の事を聞いてきた事

●私は法律上雇用保険に入る資格がある事

●そして、月この時間で働いているなら育休は必ず取れる事

を、

渡された資料と共にオーナーに伝えて下さい。と教えてくれました。

それで話しても、

雇用保険は入れない、育休も取らさない。と、店が言うようであれば

●もう一度ハローワークに伝えると、その場合は労基の調査も入る

と、言ってみてください。と。教えてもらった。

(良い方は下から優しく言う方が角が立たないのでおススメ。と、その後市場のおっちゃんに教えてもらった)

そして翌日すぐに

その事をオーナーシェフにお話しした。

そしたらさ、

めっちゃすぐに動いてくれた!!!(笑)

結果、

私だけでなく、みんなも雇用保険に入ることが出来。(当たり前か^^;)

次男の育休を有難く1年半取らせて頂くことになりました。

知らなかったから、とシェフは言っておられたけれど、、

知らない。は罪。

とも実感した瞬間です。

それは自分の責任でもあります。

無知がゆえに完全に自分を粗末に扱っていたな。と。

無知は悪だとよく言うけれどまさしくそうだと思う。

自分も、自分の家族も、守れない。


私の場合は本当に市場のおっちゃんに救われたから良かったけれど、

小さな飲食じゃ、育休貰えない。って勝手に思っている人。

雇う側も雇われる側も多くないですか?

もちろん短い時間で働いていたら貰えない事もあるけれど、

一度調べてみた方がいい。

自分を守るために。

店を守るために。


次男の妊娠と共に学んだ無知の知。のお話。

大人になってからの方が勉強は大切だね。

誰も、守れないから。


さてさて、育休は有難かったものの、

復帰後もなんやかんや、あります。(笑)

次回もお楽しみに!


読んでくれてありがとう^^


焼き菓子屋 そぼくな。