2019/05/13 13:57
▼ “おいしい”には基準がある。人、それぞれの。
それは多様で、人によって、その基準は当てはまったり、当てはまらなかったり、する。
ただ“おいしい”と言う言葉だけでは、
作り手側、または伝えた側。と、
食べる側の“おいしい”は必ず一致するとは限らない。と思っている。
だから、【焼き菓子屋 そぼくな。】が考え、
作り出している菓子の【おいしい基準】を書いていきます。
一つ一つの菓子にはおいしい物語がある。
と、言うわけで
今日は【木の実4兄弟】をご紹介。^^

▼ タルトはおいしいリズムを奏で、感動を与えるちいさな舞台だと思っている。
手のひらサイズだからと あなどることなかれ。
この小さな舞台の上で奏でるおいしい、メドレー。
甘さは一般のものよりも控えめ。
でも、この舞台に感動して
一つのタルトで、心も身体も満たされる。
そんな菓子を軸として焼いている。

さて、そこにはどんな【おいしい基準のトリック】があるのか?
①舞台の土台であるクッキー生地は
冷凍発送でもサクっ。と
ザクっ。としている。
甘いクッキーではなく、
有機栽培の熊本産薄力粉、
【チクゴイヅミ】の麦麦しい味わい。
それを
ミルキーな四つ葉バターが
クッキー生地が焼ける中で、
香ばしく“揚げ焼き”した味わいを広げる。
ちいさな舞台の土台であるから
食感のリズムは刻みつつ、
儚く、消えていく食感。

②その土台の上には
アーモンドのコク、
キビ糖のコクを兼ね備えた甘さ、が
ふわん。とした食感と、ともに広がる
アーモンド生地。
主役を引き立てながら
調和しつつも主張する、
なくてはならない、
そんな
レッドカーペットのような存在。

③さて
主役の木の実4兄弟達。
王道の落ち着きで安心感をその舞台にもたらす、
そんなアーモンド は
そのまんまのおいしさを
ローストにして奏でる。
ピーカンナッツは
その個性をそのままに
キュートなメープルのような味わいを表現する。
ちょっとオシャレさんで
アクセントをいれたい。
そんなくるみ は
キャラメルのマントを覆って、
舞台全体をリズム良く、
おいしく巻き込んでいく。
かわいくって小さな坊やピスタチオ は
濃厚なキャラを確立しつつ
ナッツたちを引き立てることを忘れない。

